【ツァイ】Hole-洞【ミンリャン】
メルカリで超高値がついてて手が出せない、1998年制作・ツァイ・ミンリャン監督の「Hole-洞」を観ました。
人生相談の問い:
リー・カンションを見ているだけで幸福になる病とは、どのような病でせうか。
私は学問もいたしたことありませぬゆえ記者足下の高見をお願いしたく候。
人生相談の答え:
真面目なご相談で、お困りの深きことをお察し申し上げ候。相談者様の病はツァイ・ミンリャンと同じ病で間違いないでせう。台湾屋にツァイ・ミンリャンBlu-ray BOXが売られており候、それを慰めに御過ごし下さいますようお願い申し上げ候。
ツァイ・ミンリャンとリー・カンションのコンビについての記事は10個は書けそうな気がするぽんず。
本作である「Hole-洞」のDVDは残念ながら廃盤になっており、メルカリで1万円以上はします。
ほんの時折、手が出せる料金で売られておりますがいつもタイミングを逃していました…。かといって年中無休でメルカリを睨み続けるわけにはいかず…。
仕方がありませぬ候!
と、決心をして、
(ブルックリンといえば893!893といえばブルックリン!)
(物凄偏見。責任転換するとマーティン・スコセッシのせいである)
厳密にいうとアメリカにある輸入DVD屋で購入。ブルックリンからDVDが送られてきました。893の流れ弾を避けて極東の小国に来たのです。
もちろん日本語字幕はありません。
しかし!
私はだいぶ前に本作のパンフレットを手に入れていたのです!
令和の民は知らないであろうが、昔のパンフには(何故か不思議過ぎるが)後半のページが全て台本になっており、字幕が無くても台詞が分かるのであった。
(この時ほど台詞が少ないツァイ・ミンリャンの作風に感謝したことはないだろう)
というわけで、
パンフと画面(一応英語字幕にしといた)、双方に視線を走らせながら鑑賞することが出来ました。
倒産し、今は無き配給会社のプレノンアッシュよ、本当にありがとう。
貴社のおかげでミンリャンとカンションのインタビューをネットで読めたり、こうして海外製のDVDを鑑賞することができました。
さてさて、
舞台は2000年になる7日前の台北。
リー・カンション演じるツァイ・ミンリャン作品でおなじみの主人公シャオカンと、これまたミンリャン作品で常連のヤン・クイメイ演じるヒロインのメイメイはとある感染地区の中にある、古びた大きなマンションに住んでいる。
現在、台湾は”ゴキブリ病”(感染したら四つん這いで歩き、じめじめとした暗い場所を好むようになる)が大流行しており、台湾政府は感染地区内で暮らしている住民の退去をお願いしているが、政府の強制的な姿勢に反発する住民たちはそれを拒否!
政府は最終手段として、感染地区内で出るゴミの収集を中止し、7日後の2000年からは水道を止めると発表。どうなることやら。
且つ、シャオカンたちが住んでいるこのマンションは台湾に実際にある有名な心霊スポット・マンションという、
では観てみましょう~
<シャオカンが出る場面全てスクショしてしまう罠>
スースーと、リー・カンション演じるシャオカンの寝姿を見ただけで満足し、ニッコリと微笑み、停止ボタンを押しそうになりました。
シャオカンとは、「小康」と書きます。リー・カンションが李康生です。
「小康」とは愛称であり、「カン君」とか「カンちゃん」という意味で、ツァイ・ミンリャンの作品ほぼ全ての主人公であります。
この胸のトキメキは何でしょうか(我ながらキモイ。自分がキモイのは重々承知はしているが)!!ていうか、いつも白ブリーフだね。
そしてこの白ブリーフ姿のシャオカンのスクショを何枚撮ったもう分からないよ。
そんなシャオカンの部屋が8階で、真下の7階の部屋に住んでいるのがヤン・クイメイ演じるメイメイの部屋なんです。
水道管を修理する業者の人がやってきてですね、真下のメイメイの部屋が水浸しだと云うんですね。
だから、シャオカンの部屋の水道管が壊れているんじゃないかと、こうして見に来たわけです。
因みに本作は初めから終わりまで、常に雨が降っており、その雨がサーサーじゃなくて、
攻撃的な暴雨で、
片〇敦さんも心配するほどなんです。
そのうえ、政府が公的サービスのゴミ収集を中止にしたもんだから、マンションの住民が上からゴミをガん!ガん!と下へと投げ捨てるという。
(運動神経皆無なのでゴミ投げ捨ての瞬間のスクショは撮れなかったです。太鼓の達人が上手な人は撮れるとは思いますが)
なので、常にざあああああざあああああああ!の雨音と時折ガん!ガん!の音が交差するというディストピアはこうでなくっちゃ。
さて、そんな暴雨のなか、メイメイがトイレットペーパーを沢山買って帰ってきました。
私も日用品のストックがないと不安になるタイプなのですが、ここは感染地区内。物資確保が大変なのかもしれません。
(かつて私の母校があった大阪駅前第一ビルみたいな内装に目頭が熱くなります)
無事に帰宅したメイメイ。
メイメイのこの部屋が、湿気が酷いんです(漏水してるからね)。
湿気のせいで壁紙がぐにゃぐにゃで、水もどこからか室内に入ってきていて、床にタオルを敷き詰めております。
タオルを絞ったり、カップラーメンを食べたりしてホっと一息。
卵の白身を使って顔にパックをします(美容に効くのだろうか?)。
顔を上に向けてパックを乾かしてたら、
サーーーーーっとコンクリートの粉が…
ふと天井を見るとそこには穴が開いており、なんならゴキブリが一匹こんにちは
その瞬間、歌が始まります。説明はいりません。
お~かりぷそ⤴ お・かりぷそ⤴
ほっぽっぽ!にょやにょ~や♪
歌もキャッチ―で踊りもとっても可愛いです!
この曲は1953年から1964年まで香港で活躍し人気絶頂のなか引退した、歌謡映画の女王(女優でもあり、歌手でもある)といわれたグレース・チャンの「I Love Calypso」という曲。
本作のミュージカル・シーンの曲は全て彼女の曲で、ヤン・クイメイは実際に歌っておらず吹き替えであります。
メイメイが空想のなかで歌って踊っているなか(というよりメイメイの心情風景だろうか)、シャオカンは呑んだくれてます。
この環境に絶望しているのか、本作のシャオカンはミンリャン作品の中でも一番呑んでるので、”酒呑み映画”でもあります。
酔っ払って廊下にあった消火器を抱きかかえ、帰宅するとゲロを吐きました。
このゲロのシーンがすさまじくリアル(吐き方と音と質感)で、穴のなかに吐いてしまったがゆえゲロ全部が真下のメイメイの部屋に流れていったのでした。
というか、水道管の修理屋さん、下手くそか。
最低最悪である。
<猫とシャオカン>
さて、
ミンリャン作品で様々な職に就いているシャオカン。
(墓販売のセールスマン、無職、AV男優、人間看板、マレーシアに出稼ぎ労働者等々)
本作では、もはや誰もいなくなった地下マーケットにいまだに出店している、唯一の食料品店の店主である。
(シャオカンっぽーーーーーいっ!!!)
なんで!?なんでなの!?ってことをいつもするよね。
そしてこの界隈には野良猫たんがおって、シャオカンはいつもその猫たんに猫缶を与えているのである。在庫も大量に余っているだろうしね。
猫を探すときの「ミーミー!」「ミーミー?」
そして見つけたときの「ミ~ミ~」がファッキンかわゆすぃ!
カワイイがカワイイを撫でてるよ~~!!
(落ち着け!)
どこからか鳴る音に反応して振り向くタイミングが一緒(。◕ ∀ ◕。)。
ミンリャンよ、ここで得意の長回しを使ってくれてありがとう。
来客が滅多にないお店に、豆板醤を探しに初老の男性がやってきました。
いつもならシャオカンのオトンを演じているミャオ(猫ではない)・ティエンです。
(本作は親子役ではないようです)
シャオカンが店に戻ってくるこの瞬間、意味もなくハラハラしました。
また何か良からぬことが起こるんじゃないかと…。
(色々あったなぁ~この二人は…ていうか本作が’98年。勘違いとはいえ親子で肉体関係をもってしまった「河」がたった一年前の’97年ですからね。てか、ミンリャンのバイタリティどないなっとねん)
客の男性は「豆板醤ならこのブランド!」と決めているらしく、シャオカン店にないと分かると「う~む」と悩みつつ去っていきました。
(この二人が同じフレーム内にいるのを見ると胸が熱い!!!)
ありますよねぇ~わかるわかる。
私も決めてますよ。白ワインなら
アルパカって。
アルパカが無ければもっと安いやつ買いますけどね。
決めてないやんけ
なんでも良いんやんけ
ねぇ~、ほんまに。
<成敗いたす候!候!候!>
メイメイの部屋の一室の漏水が酷く、トイレットペーパーの在庫を救出!
上の部屋のせいで自分の部屋が水浸しだわ、天井に穴が開くわゲロが流れてくるわで堪忍袋の緒が切れるメイメイ!
トイレットペーパーの山とサザエさんのような髪型。
彼女の名誉にかけて言いますが、ヤン・クイメイは綺麗な人ですよ。
恐らく、現実と虚構(ミュージカル場面)の落差を強調したいが為と、「皆家にいるときはこんなもんでしょ?」といった感じで意図的に綺麗に撮ってないんだと思われ。
シャオカンに腹が立ったメイメイは穴に向かって殺虫剤攻撃をくらわします!!
ぶっしゅーーーーーーっ!!!
シャオカンは鍋の蓋で応戦!(下手したら死ぬぞ)
歌が始まります!
バンっ!!
前の曲と同様、歌い手はグレース・チャンです。「Tiger Lady」という曲です。
今回はコーラス陣を従えて階段で歌い踊ります!
”戻って来ないで 誰も引き留めないからさっさと行って!”
という歌詞の曲です。
メイメイがシャオカンにムカついている心情を表している曲なのでしょう。
不勉強ながら、グレース・チャンって初めて知ったのですが名曲しか無いんか!?と。
それにしてもこのマンションは消火器が多いなぁ~
<ゴキブリ病感染者>
メイメイはシャオカン店を突き止めます。
メ「今日の午後に私たちの部屋の穴を水道屋が塞ぎにくるから、部屋にいてね!」
と言い去っていきますが…
どうやら修理屋は来れない(感染地区内だから断られた?)模様。忘れた?
「もういいです!あなただけが修理屋じゃないんだから!」とブチっ(怒)!と電話を切ります。
頭に洗面器を乗せているのは天井から水が滴るからです。
彼女の部屋は全体がビショビショなので、シャオカンの部屋の問題だけじゃ無さそうな気がするんですが…(;´・ω・)
それにしても、
ミンリャンってヤン・クイメイにトイレさせる十字架でも背負ってんのか?
「愛情萬歳」('94)でもさせてたよね…
ミンリャンの作品には何故か必ずトイレのシーンが有り、ヤン・クイメイどころのハナシじゃないのであるが。
上の部屋では呑気にシャオカンが爪を切っています。
(アイツめっちゃ腹立つ)
モップの柄で穴を塞いでいる鍋の蓋をつつきます。
メ「あなたがトイレを使うたびにウチに水が漏れてくるの(嫌だなあそれ…)。しばらく公衆トイレを使ってよ。修理屋が来たら一緒に直してあげるから」
そんなことがあった後日、
シャオカンは素直に公衆トイレを使っています。気にはしている様子。
(またトイレのシーン…~(´∀`~))
公衆トイレの帰り、道に男がうずくまっています。
シャ「酔っ払ってんのか?」
男がシャシャシャっ!と四つん這いで移動しだしました!
その姿はまるで…ゴキブリっ!!!
男はそのまま壁の穴の中に入っていってしまいました。
コッ、コワ━━━━━(((( ;゚Д゚))))━━━━━━ッ!!!!
白タンクトップのおっちゃんを追いかけて穴のなかに入って「不思議な国のシャオカン」の始まりか?ハッテン場じゃあるまいし(ハッテン場は「河」('97)でもうやったしな)。
(すでに充分不思議なミンリャン・ワールドの住民だが)
んなワケない。ゴキブリ病に感染すると暗くてじめじめした場所を好むのです。この男は感染者です!
シャオカンは穴には入らず「うわっ!」と飛びのきます。
マンションのロビーではメイメイが水道管を修理してくれる業者の電話番号を探していました。
カキコカキコ
するとワーワーワーッ!と騒がしい一団が!
先程の感染者のおっちゃんをシャオカン含む数人で取り押さえて病院に連れて行こうとするのですが、おっちゃんは暴れていうことを聞きません。
ゴキブリ病に感染すると光のあるところが苦手になるようなんです。ゴキブリのように。
(その割には煌々とした明るい部屋で連中を見かけるが)
このマンション内で感染者が出たということで、消毒隊が出動!
建物内を消毒していきます。
シャオカンは猫たんを避難させようとしますが…
(この時も振り向くタイミングが一緒というミラクル。ミンリャン、ありがとう)
お尻持ったってーーーーー!!!
猫だろうが犬だろうが抱きかかえるきは
お尻持ったってくらさーーーい!!!!
不安定な体勢は猫も犬も不安がりますさかいに!!
案の定、猫たんは嫌がってシャオカンの手を噛み、シャオカンは「あっ!」と猫たんを(飼い猫をぽいっと放り投げて大炎上してしまった某YouTuberのごとく)放ってしまい、そのまま猫たんはいづこへ…おいおい…
ついさっきまで懐いてたのに一瞬で牙を向く。そこが猫の面白いところジャン!=クロード・ヴァン・ダム!
なんですか、そのポーズは。
ボウイですか!?
ゴキブリ病はゴキブリを媒介して感染するので、メイメイは自宅に戻るとソッコーで殺虫剤を至ることろに発射!
むかつく穴(とシャオカン)にもぶしゅーーーっ!と発射します。
シャオカンが帰宅すると部屋中が殺虫剤の臭いが充満(下手したら死ぬぞ)。
メイメイが両腕を外の雨を使って洗っているところ、シャオカンが急いで部屋の外に出てきたところでした。
(アイツめ…)
ん?と視線を感じシャオカンが振り向くとメイメイはプイっと顔をそらします。
イライラなのか何なのか、ムカつくのか気になるのか、絶妙なところでお互いを認識し始める二人なのでした。
歌が!
始まります!
こちらも同じくグレース・チャンが歌う「I Want Your Love」。
歌い出しとサビが、一番初めの「I Love Calypso」と1,2を争う私のなかでは。
しかも今回は、
シャオカンも踊ってるよ!、っていう。
あのいつものんびりとした動作のシャオカンが!!と驚きますが、私は意外とリー・カンションって身体能力高いよなと思っております。
「西瓜」(`05)であのひと壁と壁の間でこんなことしてたよね。
あれ観た時もびっくりしたし、2014年の「西遊」でゆっ~っくり動く僧侶役でも凄いと思ったんだが。
何はさておき、シャオカンが踊っています。
(私が幼児の時に見てた「志村けんの大丈夫だぁ」みたいなダンスしてます。
もしくはバカ殿。どちらにせよ志村けんです)
本作の公開時、ミンリャン御一行がプロモーションのために来日したのですがそのときに、カンションが観客に「僕の踊りはどうでしたか?」と訊く場面があったそうで。
『Hole』監督・主演舞台挨拶・ティーチインレポート (werde.com)
会場は笑いに包まれました。
いやいや、和やかな笑いってことですがな!!
(私が当時大人だったならばこの舞台挨拶行ってたな…(´;ω;`)
それにしても当時カンションのファンクラブがあったなんて衝撃的過ぎるんだが)
このときからですね、メイメイとシャオカンが意識しあうのって。
歌詞がまんま「あなたの愛が欲しい」ですからね。ディストピア・ラブストーリー。
<さては愛に言葉はいらないな?>
早朝、シャオカンが寝起きのオシッコをするためにトイレに立ちますが、「あ」と気づき便器を使うのをやめて洗面台にオシッコを流します。
(それはそれでどうなんだという気もしないでもないが。またトイレのシーン!)
下の部屋でメイメイはその音を聞きます。
メイメイはシャオカンが気になる自分が癪に障るのか、ガムテープで穴を塞いでしまいました。
そして、全然来やがらない水道管の修理屋(あ、配管工と云えばよいのか)に電話をかけて誘惑します。
そしてフニャフニャになった壁紙をべりべりと剝がしていきます。
この一連の場面が私には少々わかりづらくて、
メイメイの行為は配管工を呼ぶための誘惑作戦なのか、もしくは、
シャオカンにぶつけたい気持ちの持って行き場がなくてエロ電話かけて、もだえているのか。
私は後者推しなんですけどね。
(すごいもだえかた。トイレットペーパーの使い道は無限大!)
ですので、メイメイが「あなたが開けた天井の穴が眼みたいに私を見つめているの」ってこれはシャオカンに言っているものとしますね、私は。
以降、二人の日常生活はお互いの生活音を聞きつつ、影響をし合いながら送ります。
(下の部屋から沸騰したヤカンの音が聞こえます)
メイメイの部屋の水道が止まっても、シャオカンが水道を使えばメイメイの部屋の水道も使えるようになり、お互いにカップラーメンを食べるタイミングも一緒です。
シャオカンも彼女のことが気になって、もう一度穴を通して繋がりたいのか、ペットボトルの水を流してメイメイがガムテープで塞いでいた穴を再び貫通させました。
これはもはや変形のラブレターですよね、と私は睨んでおる。
その頃、メイメイは浴槽に浸かっており突然クシャミをします。
UTAーHAJIMATTA!!
グレース・チャンの「Achoo Cha Cha」。
まだ見ぬ恋人たちが私の噂をしているからクシャミが出るの♪っつー曲です。
コーラス隊、EXILEと今までで一番人数が多いですね。
次の日。
メイメイの部屋の呼び鈴が鳴ります。
(台湾の呼び鈴ってちゅううう~ちゅちゅ~って鳥の鳴き声なの、なんでだろう)
すわ、配管工か!?とシャオカンはベランダに出て見るのですがメイメイは出ない様子。
どうして!?あんなに待ち望んだ配管工なのに!?
その配管工らしき人物はシャオカンの部屋にも来て呼び鈴を鳴らしますが、シャオカンも居留守を使いました。
多分ですが、シャオカンも自分の行動の理由が思いつかなくて(それが恋故とは露知らず)、困惑して穴を自分流で塞いでしまいます。
(ツァイ・ミンリャンの作品は往々にして視聴者自らがうんうん唸って答えを見つけ出さないといけないという面倒くさい世界なのだ!そこが良いんだが!しかし少しは説明してくれても良いんだぞ!好き!)
しかし…
気になる白ブリーフ…
結局、再び、シャオカンは穴を開けます。
そして自分の片足を入れてみます。
穴がぴったりサイズ過ぎて、入れるときに少々痛がります。
(役者って大変である)
メイメイの部屋から見た足。
もうこれは超絶変化球の「I Love You」か、あっちのソレを表していると思うんだなぁぼかぁ。貫通ってそういうことだよね。
(それとも私がスケベだからそう思うのだろうか)
肝心のメイメイは気づかずに寝てしまいます。
メイメイが「ん?なんかおかしいなあ」と勘づいて目を覚ましますと、室内が今まで一番浸水しているのでした。
漏水どころではない、床に水が溜まっている。
メイメイはショックで泣いてしまいます。
そして、四つん這いになりバシャバシャ!と、部屋から部屋へと渡り歩き、
トイレットペーパーの在庫の山のなかへと潜り込んでいきました。
トイレットペーパーの山に光が差し込んでいるのは、上のシャオカンが音を聞いて何事かと気づいた様子を表す光。
メイメイがゴキブリ病に感染したのを知ってシャオカンは泣いてしまいます。
そして、
どれぐらいの時間が経ったのか作中では説明されませんが(説明が無いのはミンリャンのいつものことですが)、メイメイがトイレットペーパーの山からもがき出ます。
天井からシャオカンが一杯の水を渡します。
喉が渇いていたのかそれを一気に飲み干すメイメイ。
するとまた天井から手が差し出されます。
メイメイはその手をつかみ、
上へとすい~っと吸い上げられます。
”あなたが誰でも構わない 二人 影のように寄り添い 楽しく愛の日々を過ごす”
という、グレース・チャンのとても美しい曲で二人はやっと結ばれるのでした。
今まではメイメイの心情を曲で表していたのですが、この最後の曲はシャオカンからメイメイに対する心情だと思います。
この朽ちていく古びたマンションでお互いに感染しながらも最期まで一緒にいよう、という。
(さっさと引っ越して病院いけや!そんなメッセージは受け取りませんよ私は!)
本作はラストがとても美しいなぁ、って。
あんなに便所だのゴキブリだのを見せつけられたわりには、ラストで帳消しになるというミラクル・エンディングですね。
さてはて、
本作の真の主人公といっても過言ではないこのマンション、心霊マンションとワタクシ言いましたが、こちらの記事です。↓
「犯人は間接的な知り合いだった」蔡明亮作品『日子』流出事件のその後 +α | IndieTokyo
後半にこのマンションのことが書かれていますね。
撮影中も飛び降り自殺があったって、スゲーな。
というわけでそんな場所でミュージカル映画を撮るミンリャンって最高だなって。
ミンリャンとカンションについてはもっと語りたいことがあるのですが、1万字を超えそうなのでヤメときます、さすがに。
ミンリャンの作品の記事を書くたびに小出しにしていかないと、2万字、3万字になってしまう。心霊マンションより恐ろしい。
それに、「ホテル・アイリス」が(やっと)公開されます!!(もうされてますね)
奥原浩司監督、主演は長瀬正敏であります。
浜辺でラーメン喰ってるのがリー・カンション!!
奥原監督いわく、カンションが現場にいる日はミンリャンも付いてきて、カンションに演出をしていたとか…
コラーっ!他所様の撮影現場ですよ!!
(ミンリャンは差し入れとか持ってきてくれたらしい)
しかも演出って「もっと麺をすすったほうが良いんじゃないか」とかそういうことでしょうか。
ミステリー官能作っぽいのにそんな爆笑エピソードを挟んで良いのだろうかと思うぽんずなので候。
怪抱ぽんず
パンフの一番最後のページに載っているお店って、プレノンアッシュ経営の店でしょうか?
大阪の心斎橋にあったのですね…行きたかったなあああ!!!