【長編】アイリーン・ウォーノスに想いを馳せるの巻【殺人鬼注意】
長編はもうこりごりと云ったのに・・・
アイリーンのためだ、致し方なし・・・
すべてはこの本から始まりましたね、私のアイリーン熱は。
これですがな。
この本を読んだ後、シャーリーズ・セロン主演のかの有名な映画『モンスター』を観て(大昔に一度観ましたが例のごとく何も覚えてませんでした。しかも昔持っていたDVDは既に売却。なのでわざわざ中古DVDを買い直すという…)、
そのあとで、ドキュメンタリーの中古DVDも購入しました。
これですがな。
<この世に生まれた時から人生がハードモード過ぎ>
これが彼女に対する率直な感想です。
幼少期の悲惨さたるや、もはや説明不要の域の彼女ですが、
(数多くのサイトや映画もある故に説明は省きます。映画より活字のほうが強烈です。)
若い頃は結婚をしたこともありました。
幸せな時期もあったのです(生活の安定という点において)。
(ヒッチハイクしていたら金持ちの男に拾われた。)
しかし、彼女は結婚してすぐバーに入り浸っては酒を呑み、あげくの果てにはこの新郎を杖で殴ったので夫側から婚姻無効を申し立てられ離婚をする。
そりゃ、そうなるわな。疑いの余地ないわ。
基本的に彼女は自分のなかの衝動や激しさを抑えきれないんですよね。
(人間にとって育った「家庭環境」がいかに重要かわかります。)
そのあとも、男の恋人であったり女の恋人であったりが数名できますが、誰とも長続きしません。アイリーンは嵐のような性格ですからね。
(上に貼ったドキュメンタリー映画の監督と、彼女の親友というドーンとかいう女性だけは人間関係が長続きしたようですが。まあ、あと例の元恋人のティリア・ムーアですね。)
人懐っこいので最初は人に受け入れられるんですよ。けど、一瞬にして癇癪を起すその性格のせいで関係が破綻します。
受け入れられては拒絶され、
受け入れられては拒絶され、その繰り返しです。
彼女のバイオグラフィーを読んでいると、「人殺しになるように」「人殺しになるように」と、運命の波が彼女の背中を押しているように感じられて、他の殺人鬼より境遇が悲しいんですよね。
「ドラッグするな」「酒呑むな」と、誰が彼女に言えようか。
<文章の行間から垣間見える姿>
さて、上に貼ってある本を読んで私が凄く「あああーー!!」と感銘を受けたのはこの箇所。↓
ティリアはフロリダのハイウェイ網に点在している安モーテルの部屋係のメイドとして働き、リーは部屋に籠って酒を呑んでいた。カネがなくなると、リーはハイウェイまで行って、出口から出口までヒッチハイクをし、その間に客を取る。
(リーとはアイリーンのこと)
どうですか。これ。
酒呑みには分かると思う。この感じ。このアイリーンの行動。
全国の酒に溺れてる皆、わかるよね?
(売春の方じゃなくて呑みながら部屋に閉じ籠る方ね)
「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉がありますが、無理です。私にはそんなこと無理です。
飲まれて飲まれて滝壺に堕ちるなりけり。ですがな。
全国の酒に溺れてる皆、わかるよね?
私は以前、ニルセンとダーマ―が好きだと云いましたが、アイリーン含めてこの御三名は酒呑みすぎやと思うで。
休肝日は大切ですよ、皆さん。
私も最近は週に一度は休肝日を作れるようになりました。
調子の良い時は週に2度頑張ります(滅多に無いがな)。
全国の酒に溺れてる皆さんもね、吞みすぎてタカが外れて目が覚めたら隣に死体なんてこと起こるかもしれませんよ?
(例:ダーマ―)
なんか、人気タレントの橋本環〇さんが休肝日には「ビールをコップ二杯しか呑まない」という嘘か誠かわからないネットニュースが先日流れてきたのですが、
休肝日にアルコールは一滴も呑んではいけません!!!て何度言えば!!
分かりましたか??!全国の酒に溺れている皆さん!
休肝日は呑んじゃいけませんよぉ~。連続殺人鬼になりたくなかったら私の云うことを聞いてください!
<映画『モンスター』>
先程申し上げました通り、私は本を読んだ後、『モンスター』を観ました。
沼に堕ちました。
だって、
可愛い過ぎやろこのふたり
私は決心をしました。この『モンスター』をハピエンにしなければ、と。
私は劇中のアイリーンとセルビーを幸せにするべく、一時期は駅のホームの椅子に座って『アイリーンが就職活動に精を出す』という空想物語をノートに書き写したりしていました。
(発狂したんか?)
私はね、クリスティーナ・リッチがそもそも好きなんですよ。ポッチャリだった頃の。
(空想)物語の最後、アイリーンは良い女性の面接官に会って就職してハピエンですよ。
もうお金に困らない。売春をしなくても良い。そんな状況を創り出したかったんです。
アイリーンは安月給の正社員、セルビーはバイト。
贅沢はできないけれど、飯は喰える。人生は続く。
そういう設定だったんです。自分の中で。
(お前どないしたんや発狂したんか?)
この空想を完璧にするために、日がな一日仕事をサボってフロリダの最低賃金や賃貸料が一番安いアパートメントはどこかをネットサーフィンして調べていました。
(雇い主は私を解雇したほうがベターである)
(狂気の残骸)
あと、こういう↓
アメリカにおけるレンタル倉庫についても調べましたね。
日本では人が住んじゃいけませんが、アメリカでは住んでる人がいるみたいです。
あと、もう一つ言わせて下さいぞなもし。
ガソスタで身繕いするシーンが大好きです。
<実際のアイリーンとティリアの生活圏>
ティリア・ムーアとは映画ではリッチ演じるセルビーです。
(恐らく本人の意向で名前を映画では使えなかったのでしょう。そりゃそうだ。)
(因みにこちらがティリア本人です。映画のセルビーとは性格など違います。)
アイリーンの通っていた(逮捕された)バーはグーグル先生に見つけて貰いました。
(バー「ラスト・リゾート」"最後の楽園")
店内には、彼女の写真が飾られています。
グッズもあります。
アイリーンといえば酒!酒といえばアイリーン!
アイリーンのホット・ソース!!
商魂たくましいですね。
バーの店主曰く、アイリーンとティリアが初めてバーに来たとき、彼女はティリアを自分のガールフレンドだと堂々と言い、「わたしらゲイだから!」と言ったそうです。
こういうところが彼女の良いところなんだよな。
バーの壁にはアイリーンの直筆の名前と一言コメントが書かれております。
画像の女性は『モンスター』の監督のパディ・ジェンキンス氏。
二人が一時期住んでいたモーテルもグーグル先生に見つけて貰いました。
モーテル「スクート・イン」
部屋はこんな感じです。
こんな感じの部屋で呑んだくれてたのかと思うと感慨深いです。
(当時と内装は変わっているとは思いますが)
このモーテルはサービスも良く、スタッフも親切だそうですよ!
「アイリーンの部屋に泊まりたい!」て云ったら快く対応してくれるらしい。
フロリダ旅行の際には是非ご宿泊先にどうぞ!
ここのモーテルですが、ずっとここに住んでたわけでは無いです。
ドキュメンタリーでは二人はトレーラーに住んでたことがあるみたいだし、
本によれば、フロリダのデイトナ地区内を転々としていました。デイトナ以外の他の場所に住むこともあったようだし、予測ですが主に「お金の問題」によりけりで移動し続けていたのでしょう。
地獄の沙汰も金次第でありますが、アイリーンはティリアを独占したいが為に部屋に閉じ込めて働きに出させないようにすることもあったみたいです。
その間はアイリーンが売春をして、稼いだ金でビール・煙草・軽食を買って二人で部屋に閉じ籠ってたそうです。
お金が無くなれば売春(長年のドラッグとアルコール乱用のために顔と身体がグダグダのせいで高く売れないのだが)、部屋に閉じ籠る、お金が底をつく、売春、これが彼女の典型的なルーティンでございます。
子どもの頃はセックス、中年になってからは金。人と自分を繋いでおくために常に何かを差し出さないといけない彼女であります。そうしないと他人は納得してくれないのですね。
哀しい。
こういうところに私は「あああーーー!!」となるわけでございますですがな、ね。
(しかし、彼女で童貞を卒業した元少年や子どもの頃の元彼氏は裁判でほんとにすまなそうな顔をして証言していたのが少しの救い。どうやったって過去は変えれない。けども大人になって猛省して裁判に出てくるのはシンプルに凄いことだ。)
アイリーンとは境遇が180度違えど、彼女の心情に他人事ではない只事ではないと感じる人、けっこう世の中にはいるんじゃにゃいかしにゃ?(=ↀωↀ=)突然のネコぉ
<さらに追い打ち指摘>
まあそう云っても、ティリアはいつかは外に働きに出るわけです。
(街娼という職業柄のせいもあるが)一匹狼のアイリーンと違って、当然にティリアは職場先だとか外出先で人間関係が生まれるわけです。
ピタヴロさんはこう指摘していますよ。
(ピーター・ヴロンスキー。上の本の著者さんです。この方は他に『シリアル・キラーズ』という真っ黒い表紙の本を書いているおかしな人です。ラーメンにハマっていたら、ラーメンのムック本なんかを出して儲けていたかもしれないのに。不憫な人だ。)
アイリーンが人を殺す時期とティリアが物理的にも精神的にも彼女と離れる時期が重なっていると。
アイリーンの難しい性格のためだったり、仕事がなく金がなくなったり、他の人と遊びたいときだったりと、ティリアもその場から離れたい時があるわけです。
そんな時期とアイリーンの人を殺す時期が重なっているそうな。
(アイリーンの言質をとっていないため)真実は分らないが、さもありなんな感じはする。
もしくは、ピタヴロさんも私みたいに空想するタイプなのか。
上に貼ったドキュメンタリーでは最後までティリアのことを「最愛の女性だ」と云っていたアイリーンですが、結局彼女にも裏切られてしまいました。またもや拒絶されたのです。
<人には安心できる場所や関係性が必要>
アイリーン・ウォーノスって、「家族や他人からン十年も愛されないと人はどうなるか」の見本みたいなモンですよ。言葉悪いですけども。
「愛」とは肉体関係ではなく、情です。人情、思いやりです。
「愛されない」とは存在を無視・肉体的精神的虐待・人からの拒絶・・・等々。
この世に産声をあげてから大人になるまで人から愛されないと、
この女の子が、
こうなります。
殺人鬼あるある探検隊。
アイリーンはムショ生活も後半戦に入ってくると、「電波がどうのこうの」「監視されているどうのこうの」「ムショの食べ物に毒がどうのこうの」と云いだすようになりました。
ドキュメンタリーの最後では「お前ら全員核で死んじまえ!」と云っていました。
そして、最期の言葉は「インディペンデンス・デイに出てくるような大きな宇宙船に乗って私は戻ってくる。」です。
ドキュメンタリー監督さんは死刑が執行される直前まで、アイリーンの精神鑑定を求めていました。
上に貼ってあるドキュメンタリーを観たことがある人ならわかると思うのですが、アイリーンって本当に一瞬で表情が変わりますよね。
精神鑑定、必要だったと思いますよ。脳の障害を調べるとかね。あの癇癪は自分でコントロールできているものではないと私は思います。
(彼女独自の例の仕草。顔に髪がかかるのを嫌がってクシで後ろに髪を流すアレね。アレも何かあると思いますよ。)
またその癇癪がね、「自分が批判される・弱い立場に立たされる」のを瞬時に感じ取ってコントロール不能に陥っているように見えるんですよ。それもまた哀しいのです。
脳の障害なのかもしれません。
しかし、彼女の歩んできた人生を考えると癇癪がますます酷くなるのもうなづけるというものです。
今までの境遇が悲惨過ぎたのですからにゃ。(=ↀωↀ=)突然のネコぉ
だからといって、
<人を殺めてはいけませんね?>
常識です。
これからも何度もこのブログで云い続けますが、「何だかんだといってコイツは所詮人殺しだよな」という視点です。この視点はとても大事です。
幼少期が悲惨な殺人鬼は沢山います。アイリーンもその内の一人です。
人を殺すようになったのもこの過去が大きな影響を与えているのは誰が見ても明らか!
(殺人鬼あるある探検隊です)
しかしそこに深入りはせずに彼ら/彼女らの悲しみに寄り添うだけにしましょう。
それが殺人鬼ものを嗜むときの掟でありましょう。
<追記>
アイリーンの最期の食事はフライドチキンとポテトでした。
遺灰は親友のドーンという女性の農場に撒かれたそうです。
<追記2>
『モンスター』の中でこういう台詞があるんですけども、
私、どこかで「アイリーンは昔、カーペットとかを洗う高圧洗浄の会社を企業しようとして金を貯めていて、ポスターも印刷しようとしてたのに金を男に盗られた?」
みたいなですね、映画で使われているこの台詞を裏付ける文章を本で読んだのか、deep Lで翻訳した海外サイトで読んだのか記憶がブっ飛んでどこでその情報を見つけたのか覚えてないんですけど、どうだったかな??
映画だけの設定だったのか、それとも現実にあった情報だったのか。
私の狂気残骸メモにも"高圧洗浄 男に金盗られた"と汚物のような字でメモされてて、凄く気になって記事を書くのを中断して数時間探しまわりました。
が、見つからなかったですね。『モンスター』のパンフも行方知れずで。ウチはね、酒をいつも注ぐコップひとつも行方知れずなんですよ。
皆さんも大事な情報や物はしっかりと大切に保存しておきましょうね。あと、休肝日ね。
怪抱ぽんず